男性不妊について(その2)

今回は男性因子によくない環境やセルフケアなどについてご紹介させて頂きます。

男性因子によくない生活環境
①高温環境:精巣の体温が高い状態が続くと精子を作る働きが低下する。
サウナ、電気毛布、ぴったりした下着
②ストレス:ストレスは精子の質、特に、運動能力を低下させたり、奇形率を高めたりするおそれがあります。
また、タイミング指導がきっかけで、射精障害や勃起不全になってしまう男性が増加しています。
医師から指定されたタイミングだけでなく、夫婦生活を持つことが大切です。
③薬の副作用:抗がん剤(アルキル剤)、狭心症の薬(カルシウム拮抗剤)、胃潰瘍の薬、尿路感染症の薬など多岐にわたります。
またSSRI系の抗うつ剤はDNAの損傷率を高めるといわれています。
④職場の環境:農薬や環境ホルモンなど様々な薬物が蓄積すると男性因子を悪化させるそうです。
⑤活性酸素が増える習慣:タバコ、飲酒過多、食べ過ぎ、砂糖の取り過ぎ、寝不足、運動不足など


当院での男性不妊に対する治療目的
・造精機能の改善(総精子数、奇形率)
・精子運動率の改善
・精巣への血流改善
・男性生殖器の機能改善
・自律神経調整
・免疫機能改善
・疲労回復
・睡眠改善
この様になっております。

◆気をつけたい10か条
普段の生活でもなるべく熱、ストレス、酸化を避ける生活を心がけると精子力が良くなると言われています。
普段の生活で気をつけていただきたい10項目をご紹介いたします
1. 禁煙する
2. 禁欲しすぎない
3. タマを温めすぎない
4. 育毛剤に注意
5. 肥満に注意
6. 食生活に注意
7. 睡眠はしっかりとる
8. 飲酒は適度に
9. 長時間の自転車に注意
10. 精神的ストレスの軽減


セルフケア
●食生活 体内の抗酸化作用を高めるための基本は食生活です。
精子は活性酸素に弱く、抗酸化作用も弱い。
精子を守る抗酸化力を高める食生活が重要。

○抗酸化栄養素をしっかり摂れる食生活 ポイントは、野菜や果物を、豊富な種類と量で食べることです。
▼カラフルな食材を。
▼旬の野菜。
▼植物の種子: ギンナン、アーモンド、ヒマワリの種、松の実、クコの実等、ナッツ類など
▼発酵食品: 味噌汁、納豆、豆腐、漬け物、醤油など、
▼スパイス類: わさびやコショウ、しょうがなどには強い抗酸化作用があります。
▼丸ごと: 抗酸化物質はいつも捨ててしまうような皮に豊富に存在したりします。
★男性に必要な栄養素は「亜鉛」です。カキ、レバー、ウナギなど

○活性酸素を増やさない食べ方、活性酸素を増やさない、ため込まない食べ方も大切です。
▼調理済加工食品は極力避ける スーパーやコンビニのお惣菜や加工食品の食品添加物は、体内に吸収されると異物として認識され、解毒される過程で活性酸素が発生します。
また、加工食品やインスタント食品には油で揚げたものが多く、空気に触れると酸化して過酸化脂質になり、肝臓で解毒されるときに活性酸素が発生します。


●精子力アップエクササイズ 正座とジャンプを組み合わせたインターバルトレーニングを行うと更に精子力が良くなると言われております。

①正座を30秒して立ち上がる。これを3セット行うのが理想的です。
正座をすると一時的に下肢の血流が遮断されます。
その状態から立ち上がると遮断された血液が一気に開放されて血流が再開されます。開放された血液は足の隅々まで行き渡ります。
あまり長い時間の正座はエコノミークラス症候群を起こすことがあるので注意が必要です。
正座が困難な方はスクワットで代用できます。

②かかと落とし運動
・足を肩幅に開き方の力を抜いて立ちます。
・かかとを軽く上げ、ストンと力を抜いて落とします。
・リズミカルにトントンと30秒~1分くらい繰り返し、足がだるくなったらやめます。

かかとをストンと落とすことによって骨への振動刺激になります。骨への振動刺激は骨量を増加させます。
アメリカ、コロンビア大学のジェラール・カーセンティ博士は、「骨芽細胞」が出すメッセージ物質「オステオカルシン」が骨の中から血管を通じて全身に届けられ、「記憶力」「筋力」さらには「生殖力」まで若く保つ力があることを突き止めました。 
例えばオステオカルシンがないマウスでは、位置を記憶する能力が衰えたり、精子の数が半分近くまで減少してしまうことが実験で確認されています。
骨芽細胞といえば、骨を作る細胞。その細胞が、精子の産生に関連があることを最新の研究で明らかにしたようです。
骨量増加↑≒精子産生増加↑というこれらの仮説よりこれらのエクササイズをおすすめします!

☆男性因子は変動が激しい。男性は繊細でデリケート…

精子数の最低ラインは2千万ですが健常な人でもそれより低くなる時もあります。最近は環境のせいか?
20年前の半分位になっているとも言われます。
1回の精液検査、ヒューナーテストで成績が悪くてもあまり気にしないようにした方がいいかもしれません。
1回の検査で奥さんに「あなたの精子がダメらしいわよ」などと言われると、とたんに自信を無くし、EDになる人もいます。
奥さんはそのことでけして攻めるようなことはしない方がよいかもしれません。
もちろん毎回悪い場合はそれなりに考えましょう。

男性不妊について(その1)

当院では、鍼灸師の飯塚を中心に男性不妊に対しても力を入れております。
男性不妊に関して少しずつ紹介させて頂きますね(^_-)-☆

男性不妊外来でも紹介させて頂いてますので是非ご覧ください。

今現在、不妊治療は女性がメインに治療を進めていくケースがほとんどですが、実は不妊原因の約半数近くは男性が原因と言われています。

◆男性不妊の定義

まず、男性不妊の定義についてですが、生殖年齢の男女が妊娠を希望し,ある一定期間,避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という.
その一定期間については1年というのが一般的である。
なお,妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない。(日本産婦人科学会平成27年改定)
日本産婦人科学会の改定した定義にもありますが、昨今の不妊症は女性が原因、男性が原因は関係なくある一定期間に妊娠に至らない状態が不妊症と定義されています。

実際に病院での検査を受けても異常が見られない方も多く原因不明の不妊症は病院での治療は困難です。
特に男性不妊に対する治療はまだわかっていないことも多くこれから発展してくる分野かもしれません。
しかし、造精機能、性機能に対する治療は鍼灸の分野でも研究されてきていますので、私達くま鍼灸院では常に最新の情報を取り入れて男性不妊改善に取り組んでいきたいと考えています。

◆精子について

精子の造精には通常70日強の期間を要します。
また、精子は熱やストレスに非常に弱いです。
精子は酸化にも非常に弱いです。
一般的に精子の子宮内・卵管内の生存期間は2〜3日と言われています。
長くて5日間。
精子の産生ルートは精巣の内側に精細感があり、そこで精子が産生されます。
精祖細胞→精母細胞→精娘細胞→精子細胞→精子形成
精子は成熟するに連れて管の内腔の方へ移動し、最後の段階で尻毛ができると、精子は精細感の中を泳げるようになります。
精細管は精巣の上にある“精巣上体”につながっていて、精子はここに貯蔵され出番を待ちます。
精子ができ始めてから一人前の精子になる日数は70日強です。
出番を待っていられるのは約10日で、使われなかった精子は吸収されて消えてしまいます。
そして、毎日1億個ほどできてくる新しい精子に席を譲ります。

◆男性不妊の原因

男性不妊の原因ですが、主に造精機能障害、性機能障害、精路通過障害、の3つがほとんどの男性不妊の原因とされています。
もう少し詳しく見ていきますと
・精巣で精子を作る力が低下、精子の数が少ない、造られない。(造性機能障害)       
→82.4%

・勃起や射精ができない、性交がうまくいかないため、膣内に射精できない。(性機能障害)       
→13.5%

・精子の通り道が詰まっている(精路通過障害)       
→3.9%

となっています。
上記のとおり多くの原因は造精機能障害と性機能障害が占めています。
男性不妊の治療ではいかにこの造精機能を改善し性機能を良い状態に保つかがカギになります。
ご自身の精子力の確認は病院での精液検査が一番です。
当院よりご紹介する病院にて一度精液検査を行うことをおすすめいたします。
お時間を作ることが難しい場合は精液観察キットが市販されていますのでそちらで確認も良いかもしれません。
(しかし、ご自身で確認するよりも専門家に見てもらうほうが確実!ですので、まずはお時間を作っていただき精液検査を受けていただきたいと思います)
また、過去の病歴や手術歴なども大切になってきます。
問診票をご記入の際はその有無をご記入ください。

平成30年度第1回JISRAM研修会 in 名古屋に参加してきました。

7月8日(日)平成30年度第1回JISRAM研修会 in 名古屋にスタッフの飯塚と共に参加してきました。

今回は1年間かけて取り組んできたプロジェクト学習の成果発表を行いました。

プロジェクト学習とは様々なテーマの中から自分の興味を持ったテーマについてグループ毎に学習をしていくというものです。

テーマは

「不妊治療とメンタルヘルス」

「男性不妊について」

「不妊治療とRA」

「鍼灸の普及に関して」

「妊娠高血圧症候群と鍼灸治療」

「エストロゲン依存性疾患への鍼灸治療の向き合い方」

「鍼灸治療の標準化」

などあり、私は「エストロゲン依存性疾患への鍼灸治療の向き合い方」を選択し、飯塚は「男性不妊について」取り組んできました。

「エストロゲン依存性疾患・・・」なんとなく選んでしまったこのテーマ(^^;)

日本全国、遠くは鹿児島の先生。7名のグループではじめいくことになりました。

どうやって進めてくの?って思ってましたが、それぞれが学習を進め、調べたことや、疑問に感じていることなどを毎月LINEのグループ通話にて会議を行っていくことになりました。

学習をはじめるととても奥の深い内容で、しかもよくわかっていないことも多い・・・(^^;

とりあえず子宮内膜症に疾患を絞りすすめていくことに。

とはいってもどのようにまとめていったらいいのか・・・。

それぞれ手分けをして進めていくことにしました。

その中でも私は「免疫的な観点からみた子宮内膜症」についてまとめることにしました。

子宮内膜症と免疫?って思われる方も多いかもしれませんがとても重要なかかわりがあります。

 

詳しくは書ききれませんので大まかな概要を記します。

 

 

 

まず子宮内膜症とは子宮内膜組織が子宮以外の腹腔内・卵巣・ダグラス窩などに異所性に増殖、炎症を起こす疾患です。

また月経回数の増加がリスク要因とされております。

子宮内膜症はエストロゲン依存性疾患でありますが、必ずしもエストロゲン濃度が高いとなるわけではないようです。

また月経血の腹腔内への逆流が発症原因ともいわれております。

実は月経中の女性の約80~90%に血性腹水が存在していると言われており、子宮内膜症の発症頻度が成人女性の約10%という点から考えると、月経血の逆流のある女性すべてが子宮内膜症を発症しているわけではないということになります。

また子宮内膜症には免疫異常が関与しているという報告が多数あります。

・・・と前振りはこんな感じで実際の免疫的な観点からみた考察は次回お伝えさせて頂きます。

 

子宮内膜症に対する鍼灸治療は、痛みの軽減、CA125の減少などは報告されておりますがまだまだ確立されたものではありません。

もし「鍼灸で子宮内膜症を治せます!」って言ってる人がいたら、病態を理解してないか、嘘だと思って疑ってください。

ただ症状の軽減、QOLの向上、西洋医学的治療の補完などの意味では大きな役割を果たしていくと思います。

特に妊娠を希望されている方には免疫的なアプローチはとても重要になっていくことでしょう。

また飯塚の「男性不妊」のお話もまた別でお伝えさせて頂きますね。